心と体のバランスが変化する妊娠中は、疲れやすかったり気持ちが落ち込みやすかったりします。妊娠中も快適に過ごすためには、不快感をアロマでリフレッシュするのがおすすめです。この記事では、アロマで期待できる効果や、アロマを活用する際の注意点などを解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
マタニティケアにおけるアロマの効果
「妊娠中にはアロマは控えた方がいい」は本当?
妊娠中にアロマを使うときの注意点
妊娠中は控えた方がよい精油
妊娠中におすすめのアロマ
マタニティ期のアロマの楽しみ方
まとめ
マタニティケアにおけるアロマの効果
妊娠中はホルモンバランスや身体的な変化によって心身ともにデリケートになり、ストレスがたまりがちです。スポーツや飲酒、食べ過ぎなども気をつけなければならないなど、ストレス発散方法も限られてしまいます。
植物から抽出した香りや成分を利用するアロマには、ストレス緩和やリラクゼーション、疲労回復などの効果があるといわれています。アロマで自宅にいながら簡単にリフレッシュしましょう。
「妊娠中にはアロマは控えた方がいい」は本当?
「妊娠中にはアロマを控えた方がいい」という声を聞いたことがあるかもしれません。確かに、なかには妊娠中は避けた方がよい精油や使い方などがあるため、注意点をしっかり知ることが大切です。
また、使用する精油は、天然由来純度100%のものでなければ逆効果になってしまいます。精油は質のよいものを選びましょう。
妊娠中にアロマを使うときの注意点
妊娠中にアロマを使う際は注意したいことが4つあります。ここからは注意点をひとつずつ解説していきます。
精油の使用を控えた方がいいケース
精油は心身のリフレッシュができるアイテムですが、なかには使用を控えた方がよいケースがあります。たとえば、双子などの多胎妊娠や早産歴・流産歴がある場合です。もともと糖尿病や高血圧などの持病がある人や腹痛がある人も、精油の使用は控えましょう。
馴染みのない精油は避ける
精油は300種類以上もあり、なかには効能などがはっきりわかっていないものもあります。馴染みのない精油は、ホルモンバランスが崩れたり血圧を上昇させてしまったりする可能性も考えられます。妊娠中は聞いたことのない精油や、本やインターネットでもほとんど紹介されていない精油は避けた方が無難です。
妊娠3か月までは精油でのマッサージは避ける
安定期に入るまでは非常にデリケートな時期なので、妊娠3か月までは精油を使ったマッサージは避けましょう。精油を直接肌につけると血管を通して全身に届くため、安定期に入るまでは芳香浴などで香りを楽しみます。一般的なアロママッサージなどで精油を希釈するために使用する、キャリアオイルでのマッサージは可能です。
合わないと感じたらすぐに使用をやめる
妊娠中は、自分が快適でいられることが一番大切です。妊娠前に平気だった香りでも、妊娠をきっかけに不快に感じるようになることがあります。
また、本やインターネットで「妊娠中におすすめ」と紹介されている精油があっても、自分には合わないかもしれません。少しでも不快感がある場合は使用をやめることをおすすめします。気になる場合は、医師に相談してみましょう。
妊娠中は控えた方がよい精油
ここからは妊娠中は控えた方がよい精油を紹介します。
月経を起こしやすくする作用のあるもの
精油のなかには、通経作用(つうけいさよう)といった月経を促すとされるものがあります。これには、「シナモン」「ローズ」「クラリセージ」「ミント」「ローズマリー」などがあります。ほかにも、子宮を収縮させるといわれる「ジャスミン」「ゼラニウム」「クローブ」は、陣痛促進のために使用されることもある精油なので、妊娠中は控えましょう。
ホルモン分泌を促進する作用のあるもの
ホルモン分泌を促進したり、女性ホルモンと似た働きをしたりする精油も控えなければいけません。これらの作用があるとされるのは「イランイラン」「セージ」「クラリセージ」「ローズ」「ゼラニウム」「ニアウリ」などです。一般的にはホルモンバランスを整えるといわれていますが、妊娠中は避けた方が安心です。
血圧を上げる作用のあるもの
妊娠中は血圧の上昇にも気をつけなければいけません。血圧を上げる作用があるといわれている精油には「ローズマリー」「セージ」「タイム」「ペパーミント」「ヒソップ」などがあります。もともと血圧が高めの方は普段から避けた方がよいとされており、妊娠中も注意しなければならない精油です。
妊娠中におすすめのアロマ
妊娠中でも使用できるおすすめの精油があります。安定期以前・安定期以降に分けて解説します。
安定期以前におすすめの精油
安定期以前に使用できるおすすめの精油には、つわりのつらさや精神的な不安をやわらげるとされる「グレープフルーツ」、イライラや不眠解消に効果的とされる「スイートオレンジ」があります。気持ちを落ち着かせたり、ぐっすり眠ったりしたいときに芳香浴をしてみましょう。
リラックス効果が期待できる「ベルガモット」や、胃のむかつきを抑えるとされている「レモン」もおすすめです。
ただし、「グレープフルーツ」「ベルガモット」「レモン」には光毒性があり、肌につけて日光に当たるとシミになる可能性があります。芳香浴を楽しむ分には問題ないものの、安定期以降マッサージで使用する場合は、使用後に日光を浴びないように気をつけなければなりません。
安定期以降におすすめの精油
安定期以降は使用できる精油の種類も多くなります。たとえば「ローズウッド」もおすすめです。通常のローズとは異なりますが、ローズと同じような優しくて甘い香りが特徴で、心の安定や保湿効果が期待できます。安定期以降でリラックスしたいときにおすすめの「ラベンダー」と相性がよく、ブレンドしてマッサージするのもよいでしょう。
日本ではダイダイという名前で知られている「ネロリ」も、心の安定や保湿効果があるとされています。不眠解消の効果も期待できるため、寝る前のリラックスタイムにもぴったりです。ウッディな香りが魅力の「ティートリー」は、妊娠中は特に気になる風邪や感染症の予防効果が期待できます。
マタニティ期のアロマの楽しみ方
アロマにはさまざまな楽しみ方があります。ここでは4つの楽しみ方を紹介します。
芳香浴
芳香浴はアロマオイルの香りを空間に広げて楽しむ方法です。基本的にはアロマランプやアロマポット、アロマディフューザーなどのアイテムを使います。試しにアロマを利用してみたいという場合は、コットンやティッシュ、お湯を注いだマグカップに精油を数滴たらすなど、自宅にあるもので手軽に楽しむこともできます。
妊娠初期からおすすめの方法ですが、長時間の芳香浴を避け、リフレッシュしたいときに数時間程度行うようにしましょう。途中で不快に感じた場合はすぐに中止します。
スプレー
芳香浴を楽しむときはもちろん、殺菌作用があるとされる精油をスプレーでカーテンなどの部屋のなかのものに吹きかけておくと、抗菌効果が期待できます。作り方も簡単で、小さなスプレーボトルにお湯を入れ、精油を2~3滴加えたら振ってかき混ぜればできあがりです。持ち歩きできることがメリットですが、スプレーの中身は当日中に使い切りましょう。
マッサージ
安定期以降は体調をみながらマッサージにアロマを取り入れる方法もあります。精油をキャリアオイルで希釈してマッサージすることで、リラックス効果のほか保湿効果も期待できます。好きな精油1種類を数滴入れてもよいですし、相性のよい精油をブレンドして加えることも可能です。
なお、妊娠中は精油の濃度を1%程度(キャリアオイル5mlに精油1滴)にしての使用が推奨されています。
入浴・足湯
精油は入浴や足湯にも使えます。お湯に入れて入浴する場合は、キャリアオイルに4~6滴の精油を混ぜてから投入します。足湯の場合はキャリアオイルに精油を2~3滴垂らし、洗面器などで行いましょう。お湯に入れずに小皿に好きな精油1滴を垂らして浴室に置き、芳香浴を楽しむのもよいです。色がついている精油を使う場合は、浴室が汚れないよう注意します。
まとめ
妊娠中は心身のリフレッシュのためにアロマを活用するのがおすすめです。ただし、品質がよく、妊娠中でも使える精油を選ぶ必要があります。精油は芳香浴やスプレー、マッサージや入浴など、好きな方法で楽しめることもポイントです。
妊娠・出産・ちいさなお子さんを育てているママを応援するマイマ ボタニカ(maims botanica)では、素材にこだわったアイテムを販売しています。アロマを楽しむだけでなく、心地よく使えるアイテムで、快適なマタニティライフを送りましょう。
記事を書いた人
橘 れい(アロマセラピスト)
2児の母(子どもは6歳と2歳)
大学卒業後、香水やコスメなど香りを扱う企業で企画職を経験。
結婚出産を経てアロマセラピストに。
妊娠中にひどいつわりを経験、ご飯も食べれない、眠れないなどの辛い経験を何とか乗り越えようとアロマセラピーに興味を持ち、自身の経験を活かしアロマセラピーの道へ。
現在育児をしながら、アロマセラピーの教室を自宅で開講。
アロマで心を健康にをモットーに活躍中。
※アロマセラピストとは一般の方にアロマテラピートリートメントやコンサルテーションを実践できる能力を認定する資格。精油の専門知識に加え、解剖生理学や皮膚科学に関する知識、トリートメント技術などの知識も。